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◆2018年1月


撮影者:岡本隆史 撮影地:モルディブ

 皆様、新年明けましておめでとうございます。今日から大阪に入っておりまして、2日に松竹座で初日を開けさせていただきます。

 このお正月は「初春特別舞踊公演」という事でございまして、出し物は「お年賀口上」「元禄花見踊」「秋の色種」「鷺娘」「傾城」でございます。そして今回は中村壱太郎さんとご一緒致します。

 4年前にこの松竹座では初春公演を七之助さんとご一緒させて頂きまして、思い出深い松竹座舞踊公演でございます。

 またホテル西洋の中にありました劇場のル・テアトル銀座での初春公演も、私としましては思い出が深い公演でした。もうル・テアトル銀座は無くなってしまいましたが、今後また銀座に新しい空間が生まれて来ることを願っています。将来は少し小ぶりな劇場で、充実した公演や、演出も出来るようになったら進めていきたいと思っているのでございます。

 皆様どうぞこの松竹座初春公演にご来場下さいますようお願い申し上げます。

 また、この2日にはユーミンさんとの対談番組「スイッチ」という番組が再々放送されますし、午後8時くらいからは壱太郎さんと松竹座における今年のお正月公演に向けた思いなどの対談が放映される予定でございます。

 そしてまた、夜の9時半から1時間番組として、越路吹雪さんの追悼番組が放送されます。嬉しいことに、NHKでの放送が2日に集中いたしまして私も皆様に松竹座でお目に掛かりNHKでもお目に掛かり大変嬉しいお正月になりました。

 また昨年は充実した一年間を過ごさせて頂きました。

 去年もお正月に歌舞伎座に出させて頂きましたし、また鼓童と一緒に新作の「幽玄」をオーチャードホールで開幕致しました。その再演と致しまして9月は博多座と京都で上演させて頂けました事は、私の舞台の出演もさることながら、新作の演出という仕事を2年間かけての作品づくりをさせていただいた事で、自分なりに良い時間を過ごさせて頂いた忘れられない時でもありました。10月には「沓手鳥孤城落月」を初役で上演させて頂きました。そして12月は市川中車さんと「瞼の母」、久しぶりの「楊貴妃」を上演致しました。楊貴妃の作曲をして下さいました作曲家の唯是震一先生は去年9月に三回忌を迎えられまして、大変残念ではあったのですが思い出深い作品となりました。先生も90歳になられておりましたので、こういう事も有りうるかと思いましたが、図らずも12月に「楊貴妃」を上演致しました事は、懐かしくもあり嬉しくもあり、また先生の手で新作が出来ないという事が悲しくもありましたが、音楽というものはこうして譜面に残って演奏出来るという事の素晴らしさも改めて感じたわけでございます。また昨年の9月には「イノセントブルー」という番組で、私の8年間撮り溜めました海の底の映像が放映された事も私としましては大変嬉しく思いました。海の中の映像というのは、皆さんに広く知って頂くという事はなかなかないのですが、去年の嬉しく思った一コマでございました。2002年から約5年間かけて撮りました海の底なのですけれども、今の海はもう少し厳しい状態となっているという事を聞きました。今では2002年から思い切って毎年、南の海に行ってしまっていた事が良かったと思っております。

 今年は、これから2月高麗屋さんご一家の襲名で久しぶりに仁左衛門さんとご一緒させて頂きます。また仁左衛門さんとは3月もご一緒させて頂きます。それから昨年に行われました越路吹雪さんを偲ぶコンサートの御縁を頂きまして「邂逅」というCDを出しましたが、そのコンサートのツアーをこの春から数カ所で開催させて頂きます。皆様どうぞご来場下さいますようお願い申し上げます。

私は、毎年の抱負という事は持つ事はなく、その時その時を大事にして行きたいと考えております。今年もそのようにして充実した一年を過ごしたいと思っております。

それでは皆様、本年も素晴らしい一年でありますようにお祈り申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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