暑い夏がやって参りました。7月の22、23日に南座で「人生は歌だけ」というコンサートを開かせて頂きました。
「人生は歌だけ」というコンサートでは淋しい…というお言葉を南座さんからいただきましたが、7月の末には2日間、小朝さんとの「夏のひととき」の公演も開催させて頂きましたし、8月は片岡愛之助さんと「牡丹燈籠」もございます。
今回、ご報告出来る事は、あまり沢山ありませんが、7月は2日に富山オーバードホール中劇場の開場公演で「アマテラス」の1時間バージョン「アマテラス幻想」を上演させて頂きました。「アマテラス」は2006年に世田谷パブリックシアターで初演、その後、博多座、南座、松竹座で上演させて頂いたものでございます。2007年には歌舞伎座でも2日間の上演をさせて頂きました。今回、鼓童の皆さんと久し振りに会い、「アマテラス」に触れさせていただき、オーバードホールの開場式を盛大に務めさせていただきましたことを幸せに思います。
8月末までは京都に滞在します。京都は、私が二十歳半ばから南座の花形歌舞伎に度々出演させて頂きました思い出があります。思い返せば1999年頃から南座さんで度々舞踊会を開かせいただいたのです。「蜘蛛の拍子舞」、「日本振袖始」、「船弁慶」など上演させて頂きました。養父(十四世守田勘彌)は江戸の役者でしたので、京都の顔見世興行に出ることはあまり多くはありませんでした。私の若い頃は京都に滞在することは少なく、花形歌舞伎で南座に寄せて頂く以外はご縁が無かったのです。先代の13代目片岡仁左衛門さんを筆頭に、松島屋さんの三兄弟、片岡我當さん、そして先年お亡くなりになりました片岡秀太郎さん、当代の片岡仁左衛門さん(当時孝夫さん)とご一緒に度々南座に出演させて頂きました。30数年前の当代の仁左衛門さんとの「桜姫東文章」も、この南座だった懐かしい思い出がございます。
去年の8月には「四谷怪談」を上演させて頂きまして、今年は「牡丹燈籠」でございます。このように色々なお役を演じさせて頂ける南座の自由な空間を改めて実感致します。そして外に出ますれば、素晴らしい美術品を設えているお店や、美術館もあり、お寺もあり、素晴らしい画伯も住んでいらっしゃる京都です。北に行けば北山。南に行けば伏見稲荷。西に行けば竹林。そして南座から下を眺めれば、鴨川が見えるという嬉しい環境での南座出演が私の幸せでもあります。
また6月南座で「星降る夜に出かけよう」の演出をさせていただいたのも本当に幸せな時でした。10月には松竹座さんで再演になります。6月に感じたのですが「星降る夜に出かけよう」のファンの皆様の観劇態度の良さに私はつくづく感動いたしました。もちろん歌舞伎公演もマナーの良いお客さんは大勢いらっしゃいますし、色々なミュージカルなどを見慣れてる若い方も沢山いらっしゃいますが、特に今回のお客様の行儀のよさに感動しました。この「星降る夜に出かけよう」の上演の前には、劇場に出演している彼らの様々な公演を観に行かせて頂きました。その時も、お客様が静かで行儀の良い観劇態度で、十分に楽しんでいたので嬉しく思ったのです。私も若い世代の客席に混じって、お芝居を観られたことは、新鮮な体験でもあり、勉強でもありました。私はこれからもこうした活動を続けていきたいと思いますし、できることならば様々な催し物で地方にも伺いたいと思っております。8月の南座、9月の青山バールーム、10月の片岡仁左衛門さんとご一緒の御園座でも皆さまのご来場をお待ち申し上げております。
暑い夏になりますので、皆様お体お大事にお過ごし下さいませ。
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