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2023年 5月


 皆様いかがお過ごしでいらっしゃいましょうか。素晴らしい5月がやってまいりました。4月歌舞伎座は「与話情浮名横櫛」の上演でございました。この4月は気候不順が続き、暑くなってきたと思ったら、朝夕は肌寒い日もありました。突然に雨も降ってまいりました。また黄砂もジェット気流に乗って日本にやってくるという日々もありました。先日テレビの情報番組で見たのですが、黄砂がジェット気流に乗って日本海と太平洋に降ることにより黄砂に付着している「バクテリア」などが海に降り、それが幸いして魚の餌になり、日本海や太平洋の魚が充実するという話を聞きました。それはとても不思議なことで、そうした自然の現象があり地球が成り立っているのだということが分かりました。

 また別のドキュメンタリーでは「光の害」について番組もありました。現在は電力の問題もたくさん広がっていますが、現代は町中が明るくなり過ぎたことに人間が慣れてしまい、節電できない現実をドキュメンタリーとして扱ったものです。ドイツではすでに節電や、光の害をなくすために、ボランティアの皆さんが、腰から上の明かりを照らす光源を調査して、各家々に報告をして国が支援して、空に向かっていく光の害をなくす作業が行われているようです。その点日本はまだまだ遅れているという感覚を持ちました。私は常々蛍光灯やLEDの暮らしを避けてきたわけですが、寝る前には温かい光を浴びる時間を持てるようにという情報も入っていました。私は感覚的に寝る前には青い刺激的な灯りに照らされると眠りに入りにくいことを昔から何となく感覚で分かっていました。節電という意味もあり、自分は普通の光のランプをできるだけ消して自分の周りだけを明るくして生活出来るようにしておりました。ところが、世界中の光の要素が変わってしまい、なかなか電力を減らすことが難しい時代になりました。私は昔から温かみのある明かりが好きでした。コメントのなかで突然テレビの話になって恐縮なのですが、そんなことを考えながら暮らしている4月でした。これからは更に街中の節電を考えなければなりません。ライトアップなども時間を限って点けるほうがいいように思いました。

 歌舞伎座の4月の公演中、片岡仁左衛門兄さんの体調不良より、3日間お休みはありましたが、それ以降は順調で27日には千秋楽を迎えることができました。この5月3日には、姫路城三の丸広場で行われる平成中村座の初日を開けます。その後は八ヶ岳でのコンサート、御園座での歌のコンサート(あなたへ歌を)開催させていただきます。6月は南座の「星降る夜に出掛けよう」というお芝居を演出させて頂きます。これは、星の王子様と、パトリック・シャンリーの「喜びの孤独な衝動」と「星降る夜に出掛けよう」の短篇が三つ連なって、様々な音楽とともに進んで行くお芝居を作らせてもらったのです。私はこれからも演出をしたり、プロデュースをしたり、皆様にお芝居や映画や、エンターテイメントなどを提供して行く立場になって行きたいと思っていました。それが今後の夢なのでございます。これまでも数々の大役を歌舞伎座や、他にもさまざまな劇場で上演させていただきましたが。体力的な問題もあり、まだ余力のあるうちに。お客様に夢を持っていただける劇場空間を提供できる人間になれればと考えているのです。中村座がこの姫路城で「天守物語」を上演出来る事になりまして、お客様もたくさんおいでくださるというお話を聞き、私はこの上ない喜びでございました。

 演出の仕事をして、お客様が大勢来てくださるということが私の将来の夢でもございます。今後、6月か7月には発表になると思いますが、小さい場所で皆様とお目にかかり。衣裳の解説や、朗読、あるいはコンサートなどの開催を計画しておりまして、とても楽しみにしているのです。現在は都市開発で稽古場は有りませんが、昔からベニンサピットでは1980年代の後半に「ナスターシャ」や「サド侯爵夫人」を上演しておりました。またその他にも、イギリスから来た演出家のお芝居も度々上演されていて素晴らしい空間で皆様お目にかかれていたのです。それ以降も小さい劇場で皆様にお目にかかれる場所が出来ることを願っていましたが、こういうお話しをいただきましてとても楽しみにしているのです。6月はお休みいただきまして、演出のことや、その準備をしていますが、7月南座では「コンサート・人生は歌だけ」と「夏のひととき」を開催します。春風亭小朝さんとの対談、そして小朝さんの落語もお楽しみいただけるという計画もしております。とにかく私は無事にこの4月を終了することができました。5月の素晴らしい時期に姫路城、そして八ヶ岳、御園座で皆様にお目にかかることを楽しみにしております。

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