2024年 8月

　皆様、お元気でいらっしゃいますか。本当に暑い日が続いて大変です。７月は２７日に南座で初日を迎えます、「星列車で行こう」の稽古が１日から始まりまして、２３日に南座に入って舞台の仕込みをしてとかなり忙しく過ごしておりました。翌２４日の夜には東京に帰り、２５日の夜、小朝さんとの「越路吹雪物語」を歌舞伎座で初上演となりました。「越路吹雪物語」は、今年のお正月にも松竹座で上演させていただきましたが、皆様にお楽しみいただけたということで、『今回は是非歌舞伎座で』と言うお話しをいただきまして、『真夏の暑い中ですから牡丹燈籠も』となり、歌舞伎座で開催させていただきました。三遊亭圓朝作の「牡丹燈籠」でしたら、小朝さんと２人で高座に上がれるのではないかと相談致しまして、一幕目の「牡丹燈籠」は小朝さんが男役の（新三郎、伴蔵、医者の志丈、和尚）をやっていただき、私は（お露、お米、お峰）と女役をやらせていただきました。同じお芝居ではございますが、高座となりますと多少お話が変わってしまいますので、６月から小朝さんと度々お目にかかってお稽古をさせていただきまして、無事に上演することができました。私は扮装無しで「牡丹燈籠」をやるのは初めてだったのですが、お隣で小朝さんが話してくださっているので、少し気が楽にできました。二幕目では、まさか歌舞伎座で邦楽ではない越路さんの歌を歌うとは思っておりませんでしたが、今回はこの公演で歌わせていただきました。お陰様で即日完売の満席をいただきまして、お客様にもお楽しみいただきましたこと大変大変幸せなこの７月２５日でございました。

　実はこの２５日は「星列車で行こう」の舞台上の「場当たり」という大切な日でもございました。この大事な日に演出家が抜けるということは考えられないことなのですが、今回は歌舞伎座に出演が決まっておりましたので、出演者や関係者にお詫びを申し上げての休演でした。２５日歌舞伎座終演後に京都へ向かいまして、２６日の最終舞台稽古を済ませ、無事に２７日に初日を迎えられたわけでございます。このところ交通の遅れもあると思いましたが、無事に往復出来たのでございます。こちらも大勢のお客様にご来場いただきまして、楽しく幕を開けさせていただきました。

　そして３０日まで「星列車で行こう」の公演を見て手直しをしまして東京へ帰ってきたわけでございます。

この８月はこれまでコンサートで歌ってきました、アメリカン・スタンダードやシャンソンやJPOPなどを収録しまして、秋までに新しいCDが出来ますように数日間スタジオで録音作業を行います。これが終わりますと今度は愛媛県西条市と愛知県東海市で「越路吹雪物語」を上演させて頂きます。

　そして、いよいよ９月歌舞伎座の「妹背山婦女庭訓」で「太宰館花渡し」と「吉野川」のお稽古に入ることになります。私は大人になられた市川染五郎さんとは初共演でございますし、雛鳥役の尾上左近さんとも大人になられてからは初共演でございます。左近さんは女方ですから、少し早めにお稽古を始めまして、この9月歌舞伎公演に向かうわけでございます。どのような幕が開けられますか、精一杯お稽古をしてまいりたいと思います。

　パリではオリンピックが開催されております。皆様オリンピックを見たり、暑さにお気をつけてバカンスを楽しんだりしてくださいませ。

それでは９月歌舞伎座でお目にかかりたいと思います。