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2024年 9月


 9月に入りました。年々暑い夏になってきていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 8月は4日に愛媛の西条市文化会館、そして12日に愛知の東海市芸術劇場で「越路吹雪物語」を上演させていただきました。

 また8月初旬の数日間は、今までコンサートで歌ってまいりました曲を録音してCDの制作をしておりました。今年の11月末までには、皆様がお手に取ることが出来ると思っております。しかし自分の歌を録音した後に試聴室で改めて聞いておりますと、欠点ばかりが聞こえてしまって、何度も何度もやり直したくなるのです。例えば自分のシネマ歌舞伎の映像でも「見ないうちが花」という感じで、作ったものを見てしまうと、粗ばっかり見えてしまうことがあり、もう少し何とか出来たのではないかという思いになります。今回録音の歌に関しても実にそういう思いがありました。過去にも「邂逅~越路吹雪を歌う」というCDを出させて頂いて、すでに7年が経ちますが、その時も何度も何度も録り直しさせて頂いた覚えがあります。しかし、昔の名曲を改めて聞いておりますと、素晴らしい曲ばかりであることを感じるのでした。

 そして8月の後半には南座の「星列車で行こう」の千穐楽で京都に行きまして、その後、名古屋御園座で初日と千穐楽を迎えた訳でございます。「星列車で行こう」の出演者の皆と一緒に幕を開け幕を閉めるというこの8月の末でした。

 その後は、いよいよ9月歌舞伎座の夜の部「妹背山婦女庭訓」の「太宰館花渡し」と「吉野川」の段の上演に向けてのお稽古となりました。尾上左近さんは女形の「雛鳥」は初役でございますし、赤姫のお役演じるのも初めてということで、5月頃からお稽古をしておりました。そして市川染五郎さんの「久我之助」という配役で上演させて頂きます。もちろん、大判事は尾上松緑さんです。染五郎さんも左近さんも大人になられてから私は初めての共演になしますし、染五郎さんとの直接的なお稽古も初めてでした。そしてまた10月歌舞伎座の夜の部でも染五郎さんとは「源氏物語」の「六条御息所の巻」でご一緒させていただきます。8月26日に御園座から帰京しまして10月歌舞伎座「源氏物語」のポスター用の撮影を行いまして、9月歌舞伎座のお稽古に向かい1日の初日を迎えることになりました。

 まだまだ暑い日が続くと思いますが、さすがに8月のお盆が過ぎますと朝夕が涼しくなってまいりました。また、台風もやってきてお天気も崩れやすくなりました。

 皆様どうぞお身体お大事にお過ごしくださいませ。

 それでは9月、10月の歌舞伎座でお待ち申し上げております。

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